日本質的心理学会第21回大会

ご挨拶

日本質的心理学会第21回大会は,成城大学で開催いたします。会期は2024年10月19日~20日です。成城大学は,大正新教育の拠点の一つとして知られる成城小学校(のちに成城初等学校と改称)を源流に持ち,自由な校風で知られています。幼稚園から大学院までがひとつのキャンパスにあるのも特色で,自然豊かなキャンパスが自慢です。

ただ,本学には,質的心理学会の会員がごくわずかしかいないため,近隣にある7大学の会員からなる実行委員会を組織して,大会を運営いたします。ご参加いただいた方にとって記憶に残る大会になるように,心を尽くして運営にあたります。ご期待ください。

本大会のテーマは,「あむ,あまれる,あみなおす」としました。従来の心理学では,人間の主体性を個人に閉じたものとして考えてきましたが,こうした見方は,近年,問い直されています。私たちの主体性は,自分だけでなく,他者やさまざまな人工物との関わりのなかから生じるものですし,社会や文化,制度といったものとも切り離すことができません。このような見方に立つと,人間は,自らをめぐる関係を「あむ」と同時に,「あまれる」存在でもあることが見えてきます。

さらに,人間は現状を変革し,未来を創り出す存在であることを考えれば,既存の関係を「あみなおす」ことは重要な意味を持ちます。既存の関係を変革していくという意味では,「あみなおす」ことは,イノベーションと言えるかもしれません(ちなみに筆者は,社会イノベーション学部に所属しています)。また,発足から20年を超えて,新たな時代に向けてスタートしようとする本学会にとっても,「あみなおす」ことは,重要なテーマだと思います。

質的心理学会は,多様な領域の研究者が参加し,自由闊達に意見を述べて交流できるところが特長です。そのような質的心理学会のよさを活かした大会になるよう準備を進めていきます。ぜひご参加ください!

成城のキャンパスでみなさまとお会いできるのを楽しみにしています。

大会準備・実行委員長 青山征彦(成城大学社会イノベーション学部 教授)

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